歯周病治療PERIODONTICS

自覚症状の少ない難しい疾患 DIFFICULT DISEASE WITH FEW SUBJECTIVE SYMPTOMS

歯周病は自覚症状が少なく、気付いた時には重症化していることが多い難しい疾患です。特に初期の段階ではほとんど症状がないため、どんどん進行してしまいます。歯周病が厄介なのは、1度進行してしまうと虫歯以上に元の状態に戻すのが難しいというところです。虫歯は詰め物やかぶせ物である程度の機能回復を図ることができますが、歯周病によって失われた骨や歯肉は人工物で補うことがほとんどできないのです。そのため、歯周病が重度になる前に進行を食い止めることが非常に重要になります。

歯周病の進行と症状 PROGRESS AND SYMPTOMS

歯周病は進行するにつれて症状や治療法が変わります。初期であれば大きな治療は必要ありませんが、重症化するにつれて、治療期間も治療範囲も拡大していきます。

PROGRESS AND SYMPTOMS
  1. STEP
    歯肉炎

    歯肉に炎症が認められるものの、歯を支える歯槽骨などそれ以外の歯周組織には影響が及んでいない状態です。歯茎がしみたり、歯磨きの時に血が出るなどの症状が表れることがあります。この段階で発見できれば、歯磨き指導や簡単なクリーニングで改善することができます。

  2. STEP
    軽度歯周病

    歯肉の腫れが悪化し、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の境目の隙間が大きくなっている段階です。ほとんどの症例で歯垢が硬くなった歯石の沈着が見られ、ブラッシング指導と平行して、歯石取りなどの処置が必要になります。自覚症状としては、歯茎がしみる、歯磨きの時に血が出るなどがあります。

  3. STEP
    中等度歯周病

    歯周ポケットが増大し、その中に歯石が沈着している状態です。歯周靭帯という歯と骨を繋ぐ組織や歯を支える歯槽骨といった歯周組織へ炎症が及び、ダメージを与えているため、早期に治療しないと歯が抜けてしまう可能性があります。自覚症状としては、歯磨き時の出血や口臭、歯肉の痛みなどがあります。

  4. STEP
    重度歯周病

    歯を支える組織が破壊され、歯がグラグラしている状態です。歯は歯肉に刺さっているだけで骨の支えがないため、噛む度に痛みがあるなどの症状が出はじめ、その他にも口臭や変な味(膿の味)がするなど、さまざまな自覚症状があります。支える組織を失った歯は抜歯しなければ痛みが続くだけでなく、菌が血管に侵入して心筋梗塞などの症状を引き起こす可能性もあります。

歯周病治療の流れ PERIODONTAL DISEASE TREATMENT FLOW

PERIODONTAL DISEASE TREATMENT FLOW

歯周病治療は、手順にそって行うことで、より良い治療効果が期待できます。ここでは、効果的な治療の流れをご紹介します。

  1. STEP
    歯周基本検査

    歯と歯茎の境目の歯周ポケットの深さや、歯肉の炎症度などを専用のプローブという器具を用いて測定します。定量的に記録することで、治療効果の評価を適切に行うことができます。また、骨の減少があるかどうかを調べるために、レントゲン写真の撮影を行います。

  2. STEP
    TBI・スケーリング

    歯周病の進行と再発を防ぐために、効果的な歯磨きの方法をお伝えします。歯科医院でその時お口を綺麗に整えることができても、日々のブラッシングがうまくできていないと歯肉の炎症を抑えることができず、治療が長引き痛みを伴う原因となります。同時にスケーリングと呼ばれる歯石取りを行います。

  3. STEP
    再検査

    TBIとスケーリングの効果を確かめるために、再度検査を行います。数値を測定し、異常値や炎症が認められればさらなる治療を行う必要があります。健康な状態に回復していれば、治療は必要なく、数か月ごとのメンテナンスへ移行することができます。

  4. STEP
    SRP

    歯周ポケット内に付着した歯石を専用の機械や器具で除去していきます。細かい部分も丁寧に歯石を除去することで、歯周病の原因となる細菌を排除し、細菌が持つ内毒素の影響を取り除くことができます。歯磨きが適切にできていれば、痛み少なく治療を進めることができます。

  5. STEP
    再検査

    SRPの効果を確かめるために、再度検査を行います。異常値がなく、正常に回復していれば、メンテナンスへ移行します。出血や深いポケットなどが残っている場合は、歯周外科という外科処置を検討する場合もあります。

  6. STEP
    メンテナンス

    歯周病は再発を繰り返しやすい疾患です。歯周病の治療によって歯肉の形態などが変化し、適切な歯磨き方法が変わってくることもあります。定期的にメンテナンスを受け、お口の中を清潔に保ち、悪化の兆しがあればすぐに対応することがとても大切です。

歯周病は再発を
繰り返しやすい疾患です

歯周病菌は口腔内常在菌で、歯磨きの方法や歯並びの影響などで汚れが溜まってしまうとすぐに増殖して歯周病を引き起こします。どんなにがんばったとしても、毎日完璧に歯磨きを行うのは難しいため、定期的なメンテナンスが大切なのです。
メンテナンスでは、歯磨きの状態のチェックや、磨けていない部位に対するブラッシング指導、溜まってしまった歯垢や歯石の除去を行い、お口の中の環境を向上させます。メンテナンスを数か月おきに行うことで、良い状態をキープすることができます。

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